厚生労働省の専門部会にて、子宮頸がんワクチン接種の積極勧奨を再開したと下記魁新報の記事に掲載ありました。(ワクチン接種後の症状訴えと因果関係への懸念から、積極勧奨を停止していた。)
これについては、4月28日に関連記事を書いていますが、今回の決定はより明確な子宮頸がんワクチン接種勧奨への意思表明であり、今後の鹿角市の状況に関しても、推移を見守りたいと思います。
私たちは目の前の現象だけ見て不安を先行させず、科学的考察をもって合理的な判断をする必要があると思います。例えば以下のようなアプローチです。
時系列的な現象と因果関係の考察
ある人において以下のような事が順番に起こったとします。
元気 → ワクチン接種 → 発熱する
発熱した原因を考えると大きく3種類考えられます。(1. ワクチンの副反応 2. 風邪など 3.心理的要因)
ワクチンを接種した後に発熱したという現象だけ見れば、すぐに”副反応だ”と思うかもしれませんが、可能性だけ考えればワクチンを接種してもしなくても風邪を引いていた可能性もあります。また、”ワクチンを注射した”ことによる心理的不安が発熱という形で発現した可能性もあります。
ワクチン副反応の影響度を客観的に確かめるには、臨床試験対象者に「ワクチンを接種する」と伝えたうえで、半数はワクチンを注射、半数はワクチン成分なしの注射を行い、注射後に発熱をした人の割合を比較し、そこで現れる結果の違いを考察する必要があると思います。こうすることで、風邪や心理的要因による発熱の影響要素をなるべく排除できます。
行政は基本的に1人より多数の命を守る
今回のコロナでも露呈したことですが、世の中には以下のような原則があるように見えます。こういったことを頭に入れておくと、より冷静な議論ができるのではないかと思います。
1. 行政は全体的に見てより多くの人が助かる選択をする
2. その上で、不利益を被る個人(ワクチンで言えば重篤な副反応のある方など)には、そもそも個別のリスク判断で接種しないなどの予防、事後ケア、救済、保証という形で対応する
3. さらには社会システムとして司法を通じて、不利益者を救済する