市が予定価格１億５千万円以上の契約をする際には議会の議決が必要です。これは市の条例に明確に記載があります。
ですので、限られた案件ではありますが、議会も入札に関してチェックする機会は存在します。
過去の議会において、入札について言及されている内容を紹介します。以前も紹介させていただいていますが、議事録はこちらから検索することができます→鹿角市議会/会議録検索システム
◯検索語：入札での懸念点の言及を調べたい場合、「入札、落札率、最低制限価格、漏洩、不正」などの言葉を入れる（１検索で１語がいいかと思います）
◯検索期間：閲覧可能なすべての議事録を検索したい場合、平成９年からに設定
あとは検索ボタンを押せば、該当する言葉が含まれる議事録が表示されます。
◯具体的な入札に関する質疑の事例（平成２２年第４回定例会（第４号 6月23日））
入札に関する質疑で分かりやすいものに、議員から落札率の高さを指摘された案件があります。（リンクはこちら→平成22年第4回定例会（第4号 6月23日））
↑鹿角市議会 会議録検索システムより
リンク先画面を開いたら、画面の上にある全文表示をクリックして、全文を表示させてください。下の方にスクロールしていくと、
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日程追加 議案の上程
という部分にて、「議案第74号工事請負契約の締結について（尾去沢小学校大規模改造工事（建築主体）第1期工事）」について、議会の最終日に上程され質疑がなされています。※通常の議案では初日に上程された際に質疑あり、続いて常任委員会にて審査、最終日に可決成立という流れです。事業の進行具合と議会日程の関係で、最終日での議案上程はあり得ますが、執行部としては審査時間が大幅に短くなるので、議案を通しやすいと考えられます。
この工事の落札額は2億464万5,000円、落札率は98.9％とあります。質疑の際に、当時の田口裕議員より、落札率が高すぎるのではないかという指摘など出ていますが、結果的には可決されています。なお、質疑の中では、この前年の十和田中学校の工事でも、約９９％と高い落札率であり、２件続けて高い落札率であることを踏まえて、もっと下げられるのではないかという指摘があります。
その、十和田中学校の工事の入札に関する議事録はこちら→
平成22年第2回定例会（第1号 3月 1日） ページの中盤あたりに十和田中学校耐震補強工事に関してで、契約金額は１億8,879万円。落札率は99.17％。※こちらは、初日に上程されていますが、議長提案の通り会議規則第37条第３項の規定により委員会付託を省略し、本会議において決すことになっています。また、最初の説明では落札率の言及がなく、質疑で言及されて初めて執行部が回答しています。このことから、執行部から議会に配布された資料自体が十分でなく、かつ説明も触れられない限りしない姿勢が読み取れます。また、初日にも関わらず委員会付託省略となった経緯についても気になります。
この点だけでは何も断定的なことは言えませんが、落札率が高い点に問題意識を持ったあと、何らかの形（一般質問、常任委員会など）で継続的に入札結果を追えていたら、結果が変わっていたのかなとも感じました。その場限りではなく堀りさげて継続して向き合って行く姿勢が一人の議員として大切な要素の一つなのかなと感じています。
※この２件の入札結果について、先日の記事で紹介させていただいた秋田県の入札システムで調べてみたのですが、残念ながらデータがありませんでした。検索時に、契約年度としては昭和50年度まで選択可能ですが、実際には平成28年度までしかデータがなく、紛らわしいですね。ネットでは秋田県や鹿角市の文章保存基準表はすぐに見つけられなかったのですが、秋田市の基準表を見ると5年とあるので、5年を過ぎたデータは削除されているのかもしれません。（省庁の資料を見ても5年でした。）
【紹介】秋田県電子入札システム（鹿角市の入札結果も閲覧できます） - 笹本 真司＠鹿角市議会議員 Sasamoto@Kazuno city, Akita
