令和3年4月より鹿角市議会議員の笹本真司です。活動情報を発信します!

【鹿角市官製談合事件1件目】令和2年 統合校舎(花輪第二中学校)大規模改造工事について調べてみました。

鹿角市が予定価格1億5千万円以上の契約をする際には議会の議決が必要です。これは市の条例に明確に記載があります。議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例   ですので、限られた案件ではありますが、議会も入札を経て契約する案件に関して最終チェックする機会は存在します。

1件目の逮捕事件に関わる案件は令和2年 統合校舎(花輪第二中学校)大規模改造工事(機械設備工事)ですが、この工事も2件目の逮捕事件の案件と同様に、建築主体工事、機械設備工事、電気設備工事の3分割されて入札されています。議会との関係で1件目と異なるのは、建築主体工事以外の工事は予定価格が1.5億円未満なので、議会での議決はないことです。

※入札結果情報のリンクは、システムの稼働時間午前7時〜午前0時まで有効です。

※うまくダウンロードできない場合は、アドレスをコピーしてブラウザのアドレスバーに貼り付けてみてください。

競争入札の目的は公平な競争機会の確保と、それにより発注価格を抑えることです。価格面の落札条件は設定された範囲内に価格が収まっていることですので、落札率が高いこと自体は問題ありません。そもそもの予定価格の積算が低めであったり、入札に参加した業者のコスト競争力によって落札率が高くなることも考えられます(地域によって適正な算出方法も変わると思います)。ですので、本来の目的に照らし合わせて他面的に検証される必要があると考えます。

1. 建築主体工事(予定価格:2億3089万円、落札率:99.6%)

http://cals05.pref.akita.lg.jp/ecydeen/do/PPI/keiyaku/fileDownload/2020060301.pdf?&uniqueKey1=050090901000000000799

入札に参加した3社とも予定価格内で、落札価格が非常に高い印象です。入札比較価格の100%〜99.6%の間に収まっています。最低制限価格で落札した場合は落札率が約92%となります。

2. 機械設備工事(予定価格:8077万3000円、落札率:91.5%)

http://cals05.pref.akita.lg.jp/ecydeen/do/PPI/keiyaku/fileDownload/2020052104.pdf?&uniqueKey1=050090901000000000791

入札申請した3社のうち、1社は辞退し、落札した業者は最低制限価格で落札しています。令和元年かづの観光ふるさと館あんとらあ(道の駅かづの)の大規模改修工事と、構図として類似性を感じます。

http://cals05.pref.akita.lg.jp/ecydeen/do/PPI/keiyaku/fileDownload/2019060402.pdf?&uniqueKey1=050090901000000000646

3.電気設備工事(予定価格:7337万円、落札率:99.7%)

http://cals05.pref.akita.lg.jp/ecydeen/do/PPI/keiyaku/fileDownload/2020052105.pdf?&uniqueKey1=050090901000000000796

入札に参加した7社のうち、落札条件である入札比較価格を下回ったのは2社で、落札率が非常に高い印象です。

※用語の簡単な説明:入札予定価格=落札の価格の上限最低制限価格=落札価格の下限

※入札結果に記載されている各業者の見積価格は税抜ですので、ここで比較すべき落札価格の上限は同じく税抜の入札比較価格(入札予定価格ー消費税)となります。

議会での審査(建築主体工事のみ)

議事録はこちら→令和 2年第4回定例会(第1号 5月29日)

定例会の初日に議案第61号 工事請負契約の締結について(統合校舎(花輪第二中学校)大規模改造工事(建築主体工事))として可決しています。

委員会付託はされず、上程→質疑→可決という流れになっています。

質疑に関しては「異議なし」ということですんなり可決しています。

契約に関する質疑と決議ですが、議会での可決の際の判断材料として入札結果資料は必要なのではないかと感じます。手続きが形式的で役割が果たせていない印象です。手続きにおいて、どのような際に否決される可能性があるか具体的に考えてみると、適切な審査手続き方法案も見えてくるかと思います。

※審査の流れは適切だったか?(常任委員会の付託がないことは適切か)

※議員に執行部から配布された資料は審査するに十分だったか?

※議員18人の意識的なものを含めた審査能力に改善すべき余地はなかったか?

 

【補足】この事業の予算承認

上記は契約手続きの審査ですが、そもそもこの改修工事の予算承認に関しては、議事録を見る限り(リンク→令和 2年第1回定例会(第1号 2月28日))議案第23号令和2年度鹿角市一般会計予算として提出されています。膨大な予算書の中から、重要なものに関して説明されており、統合校舎花輪第二中学校大規模改造事業に関しては、以下のように触れられています。

  • 財源の補助として学校施設環境改善交付金1億2,707万7,000円が交付されている

          (参考)国庫補助事業について:文部科学省

  • 令和3年4月から現花輪第二中学校の校舎を花輪北小学校と平元小学校統合小学校の校舎として活用するため、改修工事費等を計上している(※予算書によれば施設改修工事費として3億9459万円計上され、最終的には令和2年度決算にて3億9016万7800円となっています)

このあと、教育民生常任委員会にて審査の上で、定例会最終日に予算は可決。この段階では、入札情報はありません。

 

<参考リンク>