令和3年4月より鹿角市議会議員の笹本真司です。活動情報を発信します!

【議案審査】財産の貸付について

ホテル鹿角への市有財産貸付(令和4年4月1日から3年間、年額1500万円)

ホテル鹿角の土地と建物は市有財産となっており、現状では3年更新で(株)ホテル鹿角に年額1500万円で貸付ける形をとっています。今回、この契約が更新時期を迎え、新たな更新のために議会の議決を経る必要があり、議案として議会に提出されました。

私はこれが妥当な金額か確認するために、本会議の議案説明後の質疑において、固定資産税の評価額を確認したところ3800万円との回答でした(市有財産なので実際には固定資産税は発生しないが、仮に民間企業が所有していた場合の指標となる)。市の説明では、貸付料1500万円という数字の根拠として具体的な計算があるわけではなく、当時の運営者と市の間での交渉のなかで、雇用・食材取引等の地域貢献要素も含めて合意した金額とのことでした。

3800万円−1500万円=2300万円。実質的には市で少なくとも差額の2300万円を肩代わりしている計算となり、この契約が妥当であるのか過去の議事録などを調べて、私なりに検証しました。以下が調べた結果を簡単にまとめたものです。

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<経緯>(※こちらの情報はすべて過去の議事録にあります)

・大湯リフレッシュ事業の一環として、市が民間に働きかけることで第三セクター会社を設立(出資は約6%、3000万円)し、平成8年からホテル鹿角等の営業開始。

・負債約118億円で債務超過状態となり、平成15年に三セク会社を清算し、土地と建物を市に無償で寄附(118億円の債務整理は全額民間側にて)【寄附を受けることを議会で議決】

・寄付されて市有財産となった土地と建物を、年間1500万円で貸付けるかたちで、民間側のグループ会社がホテル鹿角を継続して運営(契約は10年更新の方向で)【貸付契約を議会で議決】

※ここまで、平成15年第4回定例会(第4号 6月17日)の議事録に説明あり

・10年を経た平成25年に同じ親会社を持つグループ会社として、新たに設立された(株)ホテル鹿角されてこちら運営が変更。以後は3年ごとに貸付契約の更新している。【都度議会で議決】

※ここまで、平成25年第7回定例会(第1号 9月 2日)の議事録等に説明あり

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こうした経緯を考えると、貸付金額年間1500万円は固定資産税評価額3800万円と比べて大幅に安いことは否めないが、市が積極的に推し進めた三セクの118億円の負債整理に、市は資金を出していないことを(出資比率上、市は約6%の責任で、民間側の経営責任が大きいが)、物件がホテルとして存続し雇用もある程度守られていること、コロナ禍で経済が低迷していることなどをトータルで考えると、この議案に反対とまでは言えないと結論づけて採決に臨みました。