令和3年4月より鹿角市議会議員の笹本真司です。活動情報を発信します!

2/8 要望書提出しました。求められているのは単なる事象への対応ではなく向き合う姿勢だと思います。

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米代新報 2月9日 1面

新聞やテレビで報道されてご存知の方も多いかと思いますが、2月8日に無会派の3名で中山議長に要望書を提出しました。報道では、”特別委員会の設置”に焦点を当てられている内容が多くみられました。もちろん、特別委員会も要望の1つではありますが、丸岡議員もブログの中で述べられているように、最優先でやるべきこととして最も強調したかったのは、

市民に対して議会の見解と今後の対応方針を説明すること

です。

ちょうど1月19日にニュースが出た翌日には1月26日の臨時議会開催のための議会運営委員会が開催されました。私は委員ではないので傍聴しましたが、委員の誰からもこの件に関する言及はありませんでした。その後、私がこの文章を書いているこの瞬間まで、この件に関して市民の目に見える形での動きはありません。

議会の動きとしてこれと対照的なのが、2月4日に佐竹知事の国体開催判断が発表されたのを受け、”全議員が集まって市民の意見を共有するため”という名目で、4日後の2月8日に全員協議会を開くことを、休日にも関わらず翌日の土曜日に決定したスピーディーな対応です。全員協議会で多くの議員が発表した、国体中止を求める市民の声は、確かに1市民がそれぞれの立場で状況を危惧する悲痛な声であることは理解しますが、実質的な協議会の内容としてはただの反対パフォーマンスであり、中身のない内容でした。中止が実質的に難しいことはあの場の誰もが分かっていたはずで、せっかくの時間の多くを市長への批判合戦に使い、具体的な感染対策の議論などに当てられなかったのは残念でした。さらに言えば、知事の決定前から議会として市民の声を集約し、市長や知事に働きかけをしていたならいざ知らず、また1月26日のかづのパワーに関する全員協議会の最後に、国体の開催可否の見込みについてある議員から市長に質問があったものの、議員から特に懸念点などに対する言及もありませんでした。市長に対して「なんで事前に全員協議会を開いて現状説明や、市民の声を聞いたりしなかったんですか!」とある議員さんから言及があった際は、私から「それこそがまず議員がやるべき仕事じゃないですか。我々はマスコミのコメンテーターではなく、責任ある市民の代表者なのだから」と発言させてもらいました。あの場所で市長の責任問題としてまくし立てるくらいの問題意識があった議員さんが多くいらっしゃったのなら、何も行動を起こさなかった自らを省みるべきだというのが私の意見です。

さて、話は戻りますが、この2月8日の全員協議会の最後に私から議長に対して「前市長逮捕の事件の件でも早急に明日にでも全員協議会を開くべきだ」と意見しました。議員が全員集まって、事件に関して各議員の元に集まっている市民の声と、議員本人の認識を共有し合うことに、躊躇する理由が見当たりません。具体的なアクションは、今後の行方を見ながら後戻りしないように進めていくのは理解しますが、各議員意見や認識の共有はすぐにできますし、例えば、定期的に全員協議会を開いて、市の動きや議員間の情報共有し、捜査の行方を見守りながら議会の具体的なアクションを探っていくという流れでもいいと思います。多くの市民は単なる事象への対応ではなく、議会が向き合う姿勢を見える形で示すことを望んでいるのだと感じています。この認識の違いが、すれ違いの原因でもあるのかなと感じます。

 

以下、要望書の内容です。

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要 望 書

官製談合防止法違反などの疑いによる

前市長・市役所職員OBら逮捕に伴う

鹿角市議会の対応に関する要望書

 

要望者

                 鹿角市議会議員 安保 誠一郎

                 鹿角市議会議員 丸岡 孝文

                 鹿角市議会議員 笹本 真司

 

令和4年2月8日

鹿角市議会議長

           中山 一男 様

官製談合防止法違反などの疑いによる前市長・市役所職員OBら

逮捕に伴う鹿角市議会の対応に関する要望書

 

 令和4年1月19日の官製談合防止法違反などの疑いによる前市長・市役所OBら逮捕のニュースは全国規模で報道され、市民に大きな衝撃を与えました。公平公正を期すべき市役所の信頼が大きく揺らいだだけでなく、本来、行政をチェックすべき役割を持つ議会の存在意義にも多くの市民から疑問を投げかけられている状況です。報道によれば、議長は1月20日の取材に対し「入札は議会が調べる立場にないと考える。現時点で調査することは考えていない。」と話し、先の1月26日に開催された臨時議会では、市長による謝罪と今後の対応として第三者委員会を設置する旨の説明があったものの、議会からはこの事件に関する言及が一切ありませんでした。これでは残念ながら、議会としてのプライドと市民に対する誠意が感じられません。議会として、入札を個別に審査する仕組みがないのであれば、今後そのような機能を追加することも議会としての検討事項となると考えます。また、市議会からは監査委員が1名派遣されており、決算特別委員会も存在します。これらの機能と運用に関する具体的な検証と改善に取り組むべきではないでしょうか。さらに言えば、18名の市議会議員がいる中で、日頃の議員活動を通して結果的に誰もこの件に関する指摘が議会でできなかったことに関しても、検証と今後に向けた改善の共有が必要ではないでしょうか。捜査や裁判の完了を待たなければならない事項もあるでしょうが、それ以上にすぐ今できることも沢山あるはずです。

 我々のもとには、行政のチェック機関たる議会としての責任ある見解と方針を求める市民の声が多数届いており、このままでは市民からの議会に対する信頼がさらに大きく損なわれます。入札審査会議長におかれましては、今まさに議長としてのリーダーシップを発揮して頂き、市民が求める議会の役割を果たすことが求められております。以下に、我々としての具体的な要望を記します。

<具体的な要望>

  • 行政のチェック機関たる市議会が、結果的にその役割を果たせなかった事実に関して、市民に対するお詫びと今後の方針に関する速やかな表明。
  • 特別委員会を速やかに立ち上げ、各制度やその運用状況を検証し、その改善及び必要に応じて新しい機能を追加するなど、再発防止策を策定する。
  • 特別委員会は、市長にて2月中旬に立ち上げ予定の第三者委員会と連携して、一体的に市政の改善に取り組む。

以上