令和3年4月より鹿角市議会議員の笹本真司です。活動情報を発信します!

【解説】官製談合事件の業者への賠償請求根拠について

官製談合事件で経営者に有罪判決が出た3社に、合計約9200万円余りの損害賠償金が市から請求された件について解説します。(これに関する報道記事は一番下に掲載)

この請求は市との工事請負契約に記載条項に従っています。情報公開請求により、3つの契約書の一部(技術図書以外)を入手して確認したところ、市の説明の通り令和元年契約の2件に関しては下記記載の通り請負代金額の10分の1相当額の請求。

令和元年かづの観光ふるさと館あんとらあ(道の駅かづの)の大規模改修工事における、建築主体工事・機械設備工事契約における賠償金記載箇所

また、令和2年契約の1件に関しては、下記の通り請負代金額の10分の2相当額の請求です。

令和2年 統合校舎(花輪第二中学校)大規模改造工事(機械設備工事)の工事契約書における賠償金記載箇所

なお、損害賠償請求はこちらの第45条の2の記載に該当するときで、今回の事件はいずれも(4)の刑法第96条の6(公契約関係競売等妨害)が該当します。

官製談合事件3件の工事契約における賠償金請求が行われる条件記載箇所

刑法96条の6 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045

契約後にも追加工事などの変更がある場合は、都度変更契約が交わされ、損害賠償請求金額の計算には最終の請負代金額が反映されます。下記がそれぞれの最終金額が反映された契約書コピーの抜粋です。

かづの観光ふるさと館大規模改修工事(建築主体工事)令和2年11月3日付変更契約書 賠償金額は契約額の10分の1=4300万円余り

かづの観光ふるさと館大規模改修工事(機械設備工事)令和2年11月3日付変更契約書。賠償金額は契約金額の10分の1=3300万円余り

統合校舎(花輪第二中学校)大規模改造工事(機械設備工事) 令和3年2月10日付変更契約書 賠償金は請負代金額の10分の2=1500万円余り

 

きりたんぽFM 2022年8月23日記事 https://fm791.net/news/post-67399/