株式会社かづのパワーが小売電気事業を再開することになり、その計画の説明のため13:00から全員協議会が開催されました。
こちらが全員協議会にて配布された資料です。
これを読むのが一番わかり易いかと思います。
<事業停止前=価格変動リスクをかづのパワーが負う構造>
電力の買付価格は市場価格(変動)で、販売価格は固定価格(一定)。
基本的に買付価格<販売価格であれば差分が利益となる。
しかし、昨年末年始にLNG不足に起因する買付価格上昇が一ヶ月以上続き、含み損が膨らんだため営業停止→結果的に市から3500万円の注入
<事業再開案=春秋は価格変動リスクを顧客が負い、夏冬は固定価格とする構造>
電力価格の上昇する夏と冬は固定価格で購入してリスク低減、春と秋は価格安定するので市場価格で購入。
販売価格は買取価格に一定金額上乗せする方式。
価格上昇しても損失はでないが、買取り価格下がると販売価格も下がるので、従来の固定価格販売方式より収益性が下がる。顧客にも変動リスクを一緒に負ってもらうが、恩恵も還元される。
再開のための資金500万円は金融機関からの融資
→市からの持ち出しではないので、補正予算の審議はなし
◯感じた懸念点(会社なので絶対安全ということはないが)
1.顧客の確保
以前は、全期間の小売が固定価格だったので、市場価格の変動リスクをかづのパワーが負っていたが、今回は夏と冬は固定価格だが春秋は顧客が変動リスクを負う形となり、何もなければお客さんのメリットにもなる思うが、顧客と計画どおりの契約に結びつくかどうか。
2.成長戦略
再開のシナリオはできているが、そこからの成長戦略が見えていない。単なる横流では負うリスク大きく、丸岡議員も指摘した通り自前電源の確保が必要。
3.2024年から始まる容量拠出金
予想される容量拠出金は今回の再開での予想年間収益600万円を大きく上回るとのこと。(追記→9月15日の産業建設委員会にて、約2000万円と試算されるとのこと。)
容量拠出金は供給力確保のために小売業者等が拠出するお金。市場価格にこの負担分が転嫁されればいいが、そうでなければかづのパワーのような自前電源を持たない規模の小さな小売会社は非常に厳しいのではないか?かづのパワーの最初の大きなハードルは2024年と思われる。
詳細はこちら→https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou/kentoukai/2020/files/youryou_kentoukai_26_04.pdf
今回の運転再開資金500万円は金融機関からの融資とのことですが、どんなリスクも0には出来ないので、責任の所在だけは明確に説明できるようにする必要があると感じる(社長、市、その他出資者)